過払い金返還請求とは、サラ金、消費者金融からの借金で支払った不当に高い利息のお金を業者に返還してもらうことです。数年前までは、貸金業者が過払い金の返還に応じることは少なかったのですが、最近では借りた側に有利な判決が裁判で出るようになり、それが可能になってきました。
「借りたものは返すのが当然」。そんな意識が根強くあるわけですが、利息は別です。利息は借りたものではなく、「支払うもの」です。違法な高い利息を、何年にもわたって支払い続ける義務などありません。あまりにも貸金業者の利息が高いために、払い続けているうちに、元本と法廷利息のの返済が既に終わって、数十万円から数百万円の過払い金が生じていることがあります。そんな過払い金の返還は、堂々と貸金業者に求めるようにしましょう。
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過払い金の返還請求は、それだけでもすることができるし、任意整理や個人再生などの借金整理手続きと一緒に行うことも可能です。債務の状態を性格に把握するために、弁護士や司法書士に債務整理をお願いすると、借金をあらためて法定金利で計算し直す作業を行います。そこで過払いが見つかったら、貸金業者への過払い金請求も一緒にお願いするようにします。
過払い金が発生するのは、現行の借金に関する法制度があいまいなのと、サラ金などの貸金業者がそれを悪用しているからです。
借金に対する利息は、「利息制限法」という法律で決められています。利息制限法で定められている利息は借り入れ金額により異なり、それは以下のようになります。
借金の利息に関する法律が利息制限法だけなら問題はないわけですが、もう一つ出資法という法律があるために、この規定に基づいて、高利な貸し出しが行われている現状があるのです。
出資法では、買い入れ金額に関係なく、年29.2%の利息が認められています。本来は利息制限法を超える利息は違法なのですが、この法律には罰則がありません。そこで、利息制限法の規定を上限とする非常に高い利息での貸し出しが、大手の消費者金融も含めて行われてきました。29.2%の出資法で決められた利息を取るとそれは罰則規定があるので、大手ではそのような利息を取ることはありません。この利息制限法と出資法の間の利息は、グレーゾーン金利と呼ばれ、借金で苦しむ人が増えるたいへん大きな原因になっています。
しかし、このグレーゾーン金利は、借金に苦しむ人たちが増える大きな原因になっているし、借金が返済できなくて困った挙句に自殺をしたりする人も増えていることから、国会でも問題になり、近い将来撤廃されることになっています。
2006年12月、「改正貸金業規制法」が国会で全会一致で可決されました。2009年までは移行期間なので、まだ完全には実施されていませんが、大手の消費者ローンでは、既にこの動きに合わせて、利息を下げるところが出始めました。改正化資金行規正法が施行される2009年になれば、利息は年利15〜20%(借入金額による)の利息制限法で定められた利息にすべて統一されます。
過払い金返還請求は、過払い金がなければすることができません。過払い金があるかどうかは、自分の借金の履歴を正確に調べることから始まります。まずは貸金業者に今までの取引履歴の開示を求めましょう。それに基づいて、利息制限法での法定金利で借金を計算し直し、過払い金が生じていたら、返還請求をすることになります。
ただし、利息がいくら高くても計算の結果、元本の支払いがまだ済んでいないうちは、返還請求はできません。過払い分の利息は、元本の返済に充てられるからです。ここでは過払いが生じているとして、過払い金返還請求の手順をご説明したいと思います。流れとしては、下のようになります。
過払い金返還請求の流れ
サラ金など貸し金業者ごとの最初の借入れ時期を思い出す。
↓貸金業者ごとに取引履歴のすべての開示を請求
↓ ↓開示に応じた場合 一部のみの開示、開示なし
↓ ↓法定利息で引き直し計算 推定・残高無視計算
↓ ↓業者へ請求・交渉 提訴
↓ ↓和解・解決 判決・和解で回収
解決されなかったら提訴
「いまは過払い金の返還を求めて提訴すれば、100%に近い確率で勝てます。」[過払い金回収マニュアル] サラ金・消費者金融からお金を取り返す方法の著者で、「名古屋消費者信用問題研究会」代表の7瀧康暢(たきやすのぶ)弁護士は言います。
ここでは瀧弁護士のやり方を参考にしながら、過払い金請求の具体的な方法について、ご説明します。
過払い金回収でまず必要なのは、「いつから借りているのか」をはっきりさせることです。ATMの支払い明細のようなものを参考にするとか、記憶だけでも大丈夫です。それで5年とか6年も前から返済が続いているようであれば、過払いになっている可能性が大です。借入先に「全取引履歴」を請求しましょう。
以前はこれを求めても渋る業者が多かったですが、個人情報保護法で、開示するのが業者の義務になったため、大手の貸金業者ならたいてい開示してくれます。
取引履歴が手に入ったら、その情報を元にして、今度は利息制限法での法定金利で計算し直し、正確な借金の返済額を出します。取引履歴を出すことを渋る業者もいますが、「貸した側の立証責任は貸した側」にあります。業者が自分で貸したお金の立証をしないのであれば、自分で計算して良いことになります。
計算を行い、過払いがあることがわかったら、貸金業者に過払い金の請求書を送ります。その会社の管理部門と営業窓口の両方に送った方が良いようです。が、それで支払ってくれる業者ばかりではありません。小規模な業者の場合は、回答もないのが普通です。請求書が届いているかどうか、確認してもらっているか電話をし、再度過払い金の返還を求めます。その際に高圧的に出てくる業者もいますが、余計に支払ったお金を返してもらうのは当然の権利です。堂々と請求をしましょう。
再三請求しても支払わないときには、提訴することになります。たいていの場合は、裁判では借主の方の主張が認められるので、借主に有利な判決が出るか、または和解が成立します。
取引履歴の開示を請求しても、業者が一部だけしか開示しないこともあります。そんな場合には、「残高無視計算」というものが判例で認められています。残高無視計算というのは、業者の出した記録の最初の取引日の時点で残債務はゼロになっているとみなし、それ以降支払ったお金は、すべて過払い金扱いにするというものです。残高無視計算で提訴し、裁判の判決で認められれば、実際に過払いしている以上の金額が返ってくることになります。
提訴する際の注意点ですが、業者への請求額140万円以内の場合には、簡易裁判所扱いの事件になるので簡易裁判所へ提訴、請求額が140万円以上の場合には、地方裁判所へ提訴することになります。140万円以下の場合は、弁護士でなくても、司法書士でも代理人になることができます。
過払い金の請求の時効は、10年ということになっています。
10年」というのは、最後の取引日から10年ということです。その期間内であれば、すでに借金を完済してしまった人とか自己破産してしまった人でも、過払い金の返還請求ができます。自己破産や任意整理のときに、弁護士に過払い金の請求も一緒にやってもらえば良いでしょう。
過払い金の請求だけを、個人で単独で行うことは可能です。が、やはり誰にも相談しないで行うのは不安があるもの。一度は弁護士とか司法書士に相談されることをおすすめします。専門家なので業者が取ってくる対抗策についても知っているし、間違いがあると後でいろいろ面倒です。金額が折り合えば仕事を依頼しても良いと思います。プロである業者に素人が交渉するよりも、結果的に良い条件で和解ができる可能性があります。
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「利息の天引き」とは、名目の借りれ額よりも少ない額しか借主に渡さないことをいいます。
悪徳業者がよく手数料とか保証料とかいった名目でそういうことをしますが、それら支払ったお金はすべて元本の返済に充てたものとして計算して良いことになっています。
過払い金返還請求の際は手数料などはすべて元本の返済に含めて計算しましょう。
返還請求をせず、実際にまだこれから返済を続ける場合にも、同じようにこの規定は適用されます。利息は、手数料などを除き、実際に自分が受け取った金額だけで計算し、業者に支払いをすることができます。
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